医療法人優和会 神田歯科医院 群馬県前橋市にある審美歯科、インプラントを専門に治療を行っている歯科医院です。

歯周病と関節リウマチの関係

 

歯周病は細菌によって歯肉に炎症が起き、症状が進行すると歯を支えている歯槽骨が破壊され、やがて歯が抜け落ちてしまう疾患です。30歳以上の約80%が罹患しているとも言われております。
そしてこの歯周病が全身の病気を引き起こす原因になっていることはメディアなどを通じてご存知の方も多いでしょう。

 

 

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例えば心臓病、脳血管障害、糖尿病、誤嚥性肺炎、低体重児出産、早産、インフルエンザなど、近年では認知症、悪性腫瘍、バージャー病、そして関節リウマチなどの疾患と歯周病の関連性が注目されています。

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関節リウマチとは・・・

関節は「滑膜」いう薄い膜に包まれていますが、この滑膜に慢性的な炎症が起こりその炎症が進行すると滑膜が異常に増殖し骨が破壊されてしまうために痛みを伴い徐々に骨が変形していく「自己免疫疾患」として知られています。

 

 

男性より女性に多く見られ、30代〜50代での発症が多いのが特徴です。
関節リウマチは多くの場合、手の指の付け根や指先から数えて2番目の関節(第二関節)、手首、足の指の付け根、の比較的小さな関節から痛みが出やすく進行するにつれて肩、肘、股関節、膝、足首など全身の関節に症状が現れてきます。

 

 

そして関節の炎症が血管などを介して波及し、血管炎や肺炎、気管支炎、胸膜炎、骨粗鬆症などの病気も発症しやすくなります。その原因としては、はっきりとはわかっておりません。主にはリウマチを発生しやすくする遺伝子(疾患感受性遺伝子)の存在といわれておりますが、細菌やウィルス感染、過労、ストレス、喫煙、出産やケガなどがきっかけで発症することもあるようです。

 

歯周病との関わり

関節リウマチ患者は健常者と比べ歯周病になりやすく、また重症化しやすいと言われています。
関節リウマチで使われる治療薬には免疫を抑える作用があります。その結果、感染症にかかりやすくなってしまいます。よって細菌による慢性の感染症である歯周病にもかかりやすくなります。薬の副作用として口の中のカンジタ菌が増えることにより、口腔カンジタ症や口内炎ができやすくなったり、骨粗鬆症になりやすいため骨がもろくなり歯周病が非常に進行しやすいのが特徴です。そして歯周病原細菌であるPg菌(ポルフィルモナスジンジバリス菌)が持つ酵素がリウマチ抗体を活性化させて発症や悪化させてしまう因子となる可能性があるとわかってきています。

 

【 対策 】
関節リウマチの主な症状として関節の痛みやこわ張りなどがあります。その結果、歯ブラシを細かく動かすことや、フロスや歯間ブラシをすることが難しくなる場合があるため電動歯ブラシや音波ブラシの使用や洗口剤の導入も検討する必要があります。またステロイド薬による免疫の低下が認められたり、シェーグレン症候群の合併症による口腔乾燥症(ドライマウス)で唾液の分泌が減少し口の中が乾燥しやすくなったりするため、虫歯や歯周病が進行しやすい状態になる場合は唾液腺マッサージや保湿剤や唾液分泌促進剤を使用します。
関節リウマチは免疫機能を抑えることで症状を緩和させるため、健康の人に比べると歯周病が悪化しやすい状態になってしまいます。このように互いに影響を与えるため歯周病の改善がリウマチ症状の改善にも結びつくと言う研究報告も出ているようです。
したがってセルフケアはもちろん歯周病の治療、定期的なプロフェッショナルケアを受けることはとても大切です。

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