医療法人優和会 神田歯科医院 群馬県前橋市にある審美歯科、インプラントを専門に治療を行っている歯科医院です。

皆さんは糖尿病と歯周病に深い関わりがあることをご存知でしょうか?

 

お口の健康への関心が高い方なら歯周病が全身疾患を引き起こす原因になることをご存じだと思います。今回はその中でも歯周病と糖尿病についてご説明いたします。歯周病は以前から糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際に糖尿病の人と、そうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いというデータが出ています。それ故に「糖尿病になると歯周病になりやすい。」または「歯周病があると糖尿病が良くならない」とまで言われるようになりました。よって歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼし合っていると考えられるようになってきています。     →歯周病ってなあに?

 

糖尿病とは
糖尿病とはインスリン作用の不足により糖質代謝異常で慢性的に血糖値が高くなってしまう病気です。
糖尿病には1型2型があります。

 

1型・・・インスリン(血糖値を安定させるホルモン)が先天的に分泌されない場合。小児〜思春期頃に発症しやすく、家族歴や肥満は2型に比べてほとんど関与しないケースが多い。

 

2型・・・生活習慣によりインスリンの作用を弱めてしまい血糖コントロールが難しくなり高血糖になります。近年では若年性も進んでいますが40代位から発症し血縁者にしばしば糖尿病があり、肥満もしくは肥満の既往がある。

 

糖尿病の3大合併症は「神経障害」「網膜症」「腎症」。
その他にも「動脈硬化性疾患」「糖尿病足病変」「歯周病」「認知症」があります。
高血糖の状態が続くと血管壁が傷つきやすくなり合併症を引き起こす要因につながります。
糖尿病では免疫力が低下します。通常体内に入った細菌などを白血球などが攻撃しますが、高血糖の状態では白血球の働きが低下してしまい、さまざまな感染症にかかりやすくなってしまいます。高血糖の影響で歯の周囲組織が血行不良になり、口腔内プラークの菌に対しても抵抗力が低下してしまいます。

 

歯周病が及ぼす糖尿病への影響

高血糖状態が続くと体の防御反応が低下し感染症にかかりやすくなります。歯周病は慢性的な細菌感染が原因の為、糖尿病の人は健康な人に比べ歯周病にかかる割合が2.5倍程度高いとも言われています。

 

このように、歯周病と糖尿病は密接な関係があります。糖尿病の人が歯周病治療すれば糖尿病も改善します。毒素や炎症がなくなれば全身に広がることなくインスリンの働きが改善して血糖値が下がりやすくなります。
実際に2型糖尿病と重度の歯周病を併発している人が歯周病治療をしたことによって血糖値の平均を表すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は0.29から0.66%低下することがわかってきています。糖尿病治療ではこの小さな数字を下げるには食事制限であったり、適度な運動が必要となるためかなり難しいものです。それため毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し歯周病を予防することが全身を健康にすることにつながります。
口腔ケアはホームケアだけでは不十分です。症状が悪化してしまうのを未然に防ぐためにも半年に1度は定期検診を受け生活習慣を含め口腔ケアを受けることをお勧めします。
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