なんとなく口寂しい時や、イライラしている時、口臭が気になる時や食後のエチケットとして「ガム」を噛みたくなる時があるかと思います。
ドラッグストアやコンビニなどお店では沢山の種類が並んでいます。その中でも「虫歯予防にキシリトールガムがいい！」とキシリトール入りのガムを噛んでいる方も多いと思いますが本当に虫歯予防に効果があるガムと虫歯になりやすいガムがあるのです。
オススメするのは歯科医院専売品もしくは、市販品では特定保健用食品「トクホのガム」です。
虫歯の原因になりやすい食品として以下の成分がトクホ(厚生労働省)で認められています。
パラチノース マルチトール エリスリトール 還元パラチノース キシリトール
茶ポリフェノール フクロノリ抽出物 リン酸水素カルシウム CPP-ACP
Pos-Ca 緑茶フッ素 ユーカリに抽出物
今回は歯にいいガムと使い方についてお話しして行きたいと思います。
① キシリトール
キシリトールとは白樺や樫から採れる植物性天然素材の代用甘味料で、イチゴやトウモロコシなどをはじめ多くの果物や野菜に含まれています。
キシリトールは砂糖と同程度の甘みを持ちますがカロリーは砂糖の75%程度しかないためカロリー制限などがある方にも比較的安心して使用できます。
[ キシリトールの効果 ]
・唾液分泌を促進する…キシリトールの甘さにより唾液分泌が促進され虫歯菌の出す酸を中和する働きが高まりエナメル質の再石灰化を促進
・虫歯菌の活動を阻害させる…歯垢の中のミュータンス菌はキシリトールを取り込むとブドウ糖をエネルギーに変えミュータンス菌の増殖を防ぐ
・歯垢が除去しやすくなる… 粘着性のある歯垢はキシリトールによりサラサラな歯垢になり、除去しやすくなります。また歯垢がつくられるのを防止する効果もある。
！選ぶ際の注意点！
最低でもキシリトール含有量が50%以上のものであること。
虫歯予防目的を期待する場合は90%以上は必要です。計算式では「キシリトール量×炭水化物×100」で表せます。可能な限り歯科医院専売品のようなキシリトール100%の使用をお勧めします。その他糖類や果汁クエン酸など虫歯の原因となる物質が含まれていないかも購入時パッケージの成分表を参考にチェックしてください。
② リカルデント
リカルデント（CPP-ACP非結晶リン酸カルシウム複合体）とは代用甘味料のキシリトールとは違い牛乳タンパク質から出来た天然由来成分です。
[ リカルデントの効果 ]
リカルデントは脱灰（歯のエナメル質が溶けること）を抑えるだけではなく唾液中のカルシウムやリンなどのミネラル成分を増やし、より歯に取り込まれやすい再石灰化を促す特徴があります。
またプラークにリカルデントがつくと歯の再石灰化を促す働きをして口の中の酸性度を修正する働きをします。
！選ぶ際の注意点！
牛乳由来なので牛乳アレルギーの方は注意が必要です。
市販品のものより歯科医院専売品のものはCPP-ACPが2倍配合されているのでより再石灰化が効果的です。
③ Pos-Ca（ポスカ）
ポスカはPos-Ca（リン酸化オリゴ糖カルシウム）主にジャガイモデンプン由来の成分です。
[ ポスカの効果 ]
脱灰予防と再石灰化の効果がキシリトールの5倍とも言われています。歯科医院専売品のポスカFはポスカにフッ素を配合したガムです。ポスカFはハイドロキシアパタイトの再結晶化も促すため初期虫歯にも効果があります。唾液中のカルシウムとリンの比率では通常リンの方が多くなってしまいますがポスカを噛むことで理想な割合に変化させる作用があります。
〜ガムの効果的な使用方法〜
通常は1日3回食事の直後に噛むのがおすすめです。特に歯磨き前に10分〜20分噛むと効果が得られます。3カ月以上使うことで虫歯になりにくい環境が整ってきます。
まとめ
キシリトール、リカルデント、ポスカFなどの効果的な成分のガムを毎日の生活の中に取り入れてみてはいかがですか?市販品のガムを購入する場合はキシリトールが多く含まれていても砂糖などの糖質が少しでも入っていれば虫歯の危険度は高まってしまいます。成分をよく確認し安全なものを購入し適切にガムを利用してみてはいかがでしょうか?ただしガムを摂取すれば歯磨きをしなくては良いというものではありません。虫歯にならないためには毎日の食後のブラッシングや定期的な検診による予防や管理が大切です。