凸凹な歯並びっ歯・すきっ歯と言われる歯並びなどでコンプレックスを感じている方は少なからずいらっしゃるかと思います。矯正治療に興味があるけれど高額なイメージから躊躇される方も多いかと思います。治療期間も長くかかるため決して気軽に始められるものではありませんが、歯科矯正治療で得られるメリットは想像以上にあります。見た目から人前で自信を持って笑えるようになり性格まで明るくなったという方もいらっしゃいます。また歯並びの凸凹がなくなるとブラッシングがしやすくなりケアもしっかりできるようになり、虫歯や歯周病のリスクも減少します。よって全身疾患の予防にもなることが最大のメリットになります。歯科矯正治療とは歯の並びだけでなく、少しずつ歯を動かして正常に咬合できるようにすることでかみ合わせによる機能的な問題を改善していきます。今回は色々な矯正治療についてお話して行きます。
大人の歯科矯正治療の種類
・表側矯正（ワイヤー矯正）
・裏側（舌側）矯正（ワイヤー矯正）
・マウスピース矯正
が大きく分けて三つあります。
｛それぞれの特徴と主なメリット・デメリット｝
★表側矯正（ワイヤー矯正）★
表側矯正とはブラケットと呼ばれる部品を歯の表面につけワイヤーの力によって歯を動かす矯正治療です。最も古くからある矯正治療方法であり、多くの歯科医院で導入され、大きく歯を動かさなくてはならない歯並びに適している方法です。費用の相場は70～130万円程度（部分矯正では30～50万程度）で治療期間は症例によりますが、2～３年程度が１つの目安です。
メリット
・裏側矯正より治療期間が短い
・発音に大きい問題がない
・裏側矯正に比べて歯磨きがしやすい
・裏側矯正より安価
デメリット
・見た目が目立つ
・食事中に物が引っかかる
★裏側矯正（ワイヤー矯正）★
裏側矯正とは歯の裏側（舌側）にワイヤー型の矯正装置を付けて歯を動かしていく種類の矯正治療のことです。表側と比べて施術に高い技術が必要となります。費用の相場は100～170万程度（部分矯正で40～70万程度）です。
メリット
・見た目が目立たない
デメリット
・治療期間が長い
・費用が高額
・しゃべりづらい
・ものが挟まりやすい
・歯磨きしづらい
・舌などが傷つきやすい
★マウスピース矯正★
マウスピース矯正とは透明のマウスピースを使い、歯を動かすタイプの矯正治療です。ワイヤー矯正と比べて痛みや違和感が少なくて済みます。ただし、大きく歯を動かす歯並びには不向きです。費用の相場は60～100万程度で治療期間の目安は半年から一年程度になります。マウスピース矯正は3Dスキャナーで歯型を採取して専用のマウスピースを治療段階に合わせて型の異なったマウスピースを装着し、少しずつ歯を動かしていきます。
メリット
・ 透明なマウスピースで目立たない
・ワイヤーと比較すると痛みや違和感を覚えにくい
・口腔内を傷つけにくい
・取り外して食事やブラッシングができる
・金属アレルギーを起こす心配がない
・比較的短期間
デメリット
・ 自己管理が必要となる
・適応症例が限られる
・装着中は水または白湯以外は飲食できない(着色のリスク)
・1日20時間以上の装着が必要
上記の三つ以外にもハーフリンガル矯正、コンビネーション矯正、外科矯正、インプラント矯正などがあります。
また矯正治療をするにあたり理想の歯並びを作るため抜歯をして空いたスペースに歯を並べたりする必要があるケースもあります。そして治療が終わった後、歯や歯の周辺の組織の安定を図る保定期間が必ず必要となります。保定期間中は保定装置（リテーナー）を決められた期間分装着し治療後の歯並びを安定させることが必須になってきます。
矯正治療は方法や期間、それぞれの違い、費用の内訳や支払いのタイミングなども歯科医院によって大きく異なります。どのタイプがご自身に合っているか歯並びの程度やライフスタイル、メリット・デメリットを踏まえて検討することが大切です。