医療法人優和会 神田歯科医院 群馬県前橋市にある審美歯科、インプラントを専門に治療を行っている歯科医院です。

洗口剤

テレビCMやドラッグストアなどでよく目にするオーラル製品の中で最近は「マウスウォッシュ」や「うがいするだけ」,「♪お口クチュクチュ♪」など聞く事があると思いますが、アメリカでは65%以上の方が洗口剤を使用しているのに対し日本人は30%程度しか使用していないという報告があります。
実際どの洗口剤を使えばよいのか、お悩みの方もいるのではないでしょうか?
今回はその洗口剤についてお話したいと思います。

マウスウォッシュ、デンタルリンス、デンタルウォッシュ等名称は色々ありますが、実は液体タイプの中でも大きく分けて二種類あり洗口液液体歯磨きがあります。
ボトルの裏面にはラベルがついていて洗口液か液体歯磨きという文字が四角に囲われて記載されています。用法や効力などの違いを詳しく解説して行きたいと思います。

 

洗口液
洗口液はマウスウォッシュやうがい薬と呼ばれ液体を口に含んで約30秒程度ブクブクうがいをした後に吐き出します。
口の中のネバネバを洗い流してくれ非常にすっきりとし口臭予防効果が期待できます。
また薬用成分を配合し口腔細菌の殺菌効果も期待できる製品があります。しかし洗口液は歯磨きとセットで行うことが望ましく歯の表面にヌルヌルしているバイオフィルムつまり歯垢がついている状態では洗口液の殺菌成分などが届かないため、洗口液の効果が発揮できないのです。
そのためしっかり歯磨きを行ないバイオフィルムを除去する必要があります。
「洗口液をしていれば歯を磨かなくても大丈夫」、「朝ご飯を食べていないから洗口液だけで済ませる」、「忙しいから洗口液だけ使えればいいかな?」と思っている方は要注意です。ほとんど効果が得られていないかもしれませんので必ず歯磨きを行った後に洗口液を使用してください。

 

液体歯磨き
デンタルリンスと呼ばれ口に含んだ後、または含みながらブラッシングを行うことで歯磨きとしての役目を果たします。そのため洗口液のようにすすぐだけではほとんど効果がありませんので誤解されている方が多いのではないでしょうか。一般的なペースト状の歯磨き粉には研磨剤が含まれていることがありますが液体歯磨きは基本的に研磨剤が含まれていません。
液体歯磨きは殺菌成分の他にも抗炎症成分や血流を促進成分も配合されているものがあります。

 

〜薬用成分〜
1. 歯の表面やバイオフィルム表面に作用するもの
グルコン酸クロロヘキシジン(CHG)・・・口腔内の細菌に強く作用し殺菌作用、抗菌性があり歯面に吸着してプラークの再付着を抑制します。持続力や殺菌力は一番高いですが稀にアレルギー症状が出ることもあります。
塩化セチルピリジニウム(CPC)・・・口腔内に浮遊する細菌に対して殺菌作用を示します。
イソプリピルメチルフェノール(IPMP)・・・バイオフィルムの塊に対して殺菌作用を持ちます。

 

2. バイオフィルム深部へ浸透して作用するもの
ポピドンヨード・・・口腔内細菌全般に対して強い殺菌力を示します。しかしヨードは金属に対する強い腐食作用を起こすため詰め物や被せ物、インプラント等などの金属の補綴物を装着されている方は使用しない方が良いです。
副作用としてヨードに対するアレルギー患者にはアナフィラキシーショックを生じる危険性があります。
エッセンシャルオイル・・・植物由来の有機化合物で天然由来のメントールやユーカリ、サリチル酸メチルなどを含有して殺菌作用や抗炎症作用があります。副作用としてはアルコールが含まれた製品ではドライマウスや味覚障害などが生じてしまう場合があります。

 

使用方法
洗口液 →このタイプは丁寧に歯磨きをした後30分後ぐらいに使用するとよいでしょう。特に就寝前などに行うと効果的です。
液体歯磨き →この薬剤は歯磨き直後よりも2.3時間経ってから使用する方が良いです。

 

洗口剤を選ぶときのポイントとして自分に合った成分や刺激の強さ、アルコールの有無などを確認することが大切です。しかし虫歯や歯周病は洗口剤だけでは治りません。歯磨きの代用にもならないことを理解していただきたいです。あくまでもオーラルケアの一部でご自身で行うブラッシングや歯科医院でのメンテナンスが一番重要です。