当院の治療方針
歯は、削ると元には戻らないため、むし歯治療では周囲の健全な歯質も多少削ることになります。そのため当院では、できるだけむし歯の部分だけを削る「MI治療：ミニマルインターベンション（Minimal Intervention）」を心がけています。また、詰め物・被せ物を装着する際は、歯との間にすき間ができないよう精密に処置することで、むし歯再発のリスクを減らしています。予防処置にも力を入れ、患者さんの歯を長く健康に保つよう努めています。
むし歯について
むし歯は、歯垢や歯石中のむし歯菌が引き起こす感染症です。むし歯菌が糖分を栄養源に酸を出し、歯質を溶かします。放置すると歯の奥へと進行し、神経に到達します。歯垢は毎日の歯磨きで除去することが大切で、歯みがき不足や甘いものの過剰摂取などが原因で進行します。お口の清掃状態が良く、だ液の力が強い人は、むし歯になりにくい傾向があります。
むし歯の症状と進行度
初期のむし歯では、エナメル質が白く濁りますが、痛みはありません。進行すると、歯に穴が開き、褐色から黒色に変色します。さらに進むと、冷たいものにしみる症状が現れますが、強い痛みはありません。最終的に神経にむし歯菌が感染すると、ズキズキと痛みます。放置すると神経が壊死し、痛みはなくなりますが、顎の骨に炎症を引き起こす可能性があります。
むし歯の進行度は、CO～C4の5段階に分類されます。COやC1では削る必要はなく、フッ素塗布や歯石除去を行います。C2では麻酔をしてむし歯部分を削り、レジンで修復します。C3では根管治療が必要で、神経や汚染された組織を除去・消毒し、被せ物で形態を補います。C4では歯の根だけが残った状態で、通常は抜歯が必要です。
