歯周病と腸内フローラ
2026.09.20

お口と腸はつながっています。
近年、「腸活」という言葉を耳にする機会が増えてきたと思われます。ヨーグルトや発酵食品を食べたり、食物繊維を意識して摂ったりと、腸内環境を整えることに関心を持つ方も多いのではないでしょうか。
実は研究で、「お口の健康」と「腸内環境」が深く関係していることがわかってきました。その中心となるのが「歯周病」と「腸内フローラ」です。
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今回は、お口と腸の意外なつながりについてご紹介します。
【腸内フローラとは?】
私たちの腸の中には、およそ1000種類、100兆個以上もの細菌が住んでいると言われています。これらの細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分類され、まるで花畑(フローラ)のように並んで存在していることから「腸内フローラ(腸内細菌叢)」と呼ばれています。
腸内フローラのバランスが整うことで、便通改善、免疫力向上、感染症予防、生活習慣病予防など、全身の健康維持に役立つことが知られています。
【歯周病菌は毎日飲み込まれている】
歯周病は、歯周病菌による感染症です。歯周ポケットの中で増殖した歯周病菌は、唾液とともに毎日体内へと飲み込まれています。
健康な人でも1日に1〜1.5リットルほどの唾液を飲み込んでいると言われており、その中に多くの歯周病菌が含まれている場合、それらは胃を通過して腸へ到達します。
近年では一部の歯周病菌が腸まで到達し、腸内環境に影響を与える可能性が示されています。
【歯周病菌が腸内フローラを乱す?】
歯周病の原因菌として知られるPorphyromonas gingivalis(P.g菌)は、腸内の善玉菌を減少させ、炎症を起こしやすい環境を作ることが研究で示されています。
腸内環境が悪化すると、慢性的な炎症、糖尿病、肥満、動脈硬化など全身疾患との関連も指摘されています。
つまり、歯周病は単なるお口の病気ではなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があるのです。
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【腸内環境の悪化は歯周病にも影響する】
腸は「最大の免疫器官」とも呼ばれ、体内の免疫細胞の約70%が存在していると言われています。
腸内環境が悪化すると免疫バランスが崩れ、歯周病菌に対する抵抗力が低下し、歯肉の炎症が起こりやすくなる可能性があります。
つまり「歯周病が腸に影響する」「腸内環境が歯周病に影響する」という双方向の関係があると考えられているのです。
【セルフケアのポイント】
①毎日のセルフケアを丁寧に行う
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用して歯周病菌の住み家となるプラークをしっかり除去しましょう。
②定期的なメインテナンスを受ける
セルフケアだけでは取り除けない歯石やバイオフィルムは、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。
③発酵食品を取り入れる
ヨーグルト、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品は善玉菌を増やすサポートをします。
④食物繊維を積極的に摂る
野菜、海藻、きのこ類、豆類などに含まれる食物繊維は善玉菌のエサになります。
⑤よく噛んで食べる
唾液の分泌を促し、お口の自浄作用を高めるだけでなく、消化を助け、腸への負担も軽減します。

【まとめ】
歯周病は「歯を失う病気」というイメージが強いかもしれません。しかし近年では糖尿病や心疾患、認知症、誤嚥性肺炎など全身との関わりが次々と明らかになっています。
さらに、腸内フローラとの関係も研究が進み、「お口の健康を守ることが全身の健康を守ることにつながる」という考え方が広がっています。
毎日の歯磨きや定期的なメインテナンスは、虫歯や歯周病予防だけでなく、全身の健康管理にもつながっています。
お口から始まる健康づくりの第一歩として、ぜひお口と腸の両方を意識した生活習慣を取り入れてみてください。