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【歯科医が教える】インプラントのお手入れ|正しいメンテナンス4ステップ

2024.12.16

皆さん、こんにちは。

群馬県前橋市にある前橋かんだ歯科・矯正歯科の院長 神田 雄紀です。

 

「インプラントを入れたけど、正しいお手入れの方法がよくわからない…」「せっかく高額な治療をしたのに、寿命が短くなってしまうのでは?」
そう不安に思われている方も多いのではないでしょうか。
実は、インプラントの寿命は適切なお手入れで大きく変わります。毎日のケアと定期的なメンテナンスを組み合わせることで、10年から20年以上、場合によっては生涯にわたって問題なく使い続けることができるのです。
この記事では、歯科医の視点から、インプラントを長持ちさせるための正しいお手入れ方法を、日常的なセルフケアから専門的なメンテナンスまで、4つのステップに分けて詳しく解説していきます。

 

>>「前橋かんだ歯科・矯正歯科のインプラントについて」はこちら

 

目次

インプラントのお手入れが必要な理由とは

インプラントのお手入れが必要な理由とは

インプラントは人工の歯根を顎の骨に埋め込む治療法で、歯を失った部分の機能回復に優れた方法です。しかし、インプラントは歯周病菌に侵される可能性があり、天然歯同様しっかりとしたお手入れが必要になります。

 

インプラントと天然歯の違いについて

インプラントと天然歯の大きな違いは、歯根の部分にあります。天然歯は歯根膜で骨とつながっているのに対し、インプラントは顎の骨に直接埋め込まれています。このため、インプラントは天然歯よりも歯周病菌の影響を受けやすく、感染が進行すると「インプラント周囲炎」という状態になります。

 

インプラント周囲炎のリスクとは

インプラント周囲炎は、インプラント周りの歯茎に炎症が起こる状態です。歯茎の腫れ、出血、膿の排出などの症状が見られ、進行すると骨の溶解が起こります。放置すれば、最終的にインプラントが脱落してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

 

適切なお手入れで期待できる効果

一方で、正しいお手入れを行えば、インプラント周囲炎のリスクを大幅に下げることができます。歯磨きやデンタルフロスなどを使った日々のセルフケアと、定期的な歯科医院でのメンテナンスを組み合わせることで、インプラントを長く健康に保つことが可能です。

 

【ステップ1】インプラントの基本的なお手入れ方法

【ステップ1】インプラントの基本的なお手入れ方法

インプラントを長持ちさせるには、毎日のお手入れが大切です。ここでは、インプラントの基本的なお手入れ方法について説明します。

 

毎日の歯磨きのポイント

インプラントの歯磨きは、天然歯と同じように1日2回以上行いましょう。ただし、インプラントの周りは特に丁寧に磨く必要があります。

 

▶歯ブラシの選び方

インプラントに適した歯ブラシを選ぶことが重要です。毛先が細くて柔らかいものを選び、小さめの歯ブラシを使うと、インプラントの周りを磨きやすくなります。

 

▶正しい歯磨きの手順

歯ブラシを歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに振動させるようにして磨きます。インプラントの周りは特に念入りに磨き、インプラントと歯茎の間に毛先を入れるようにしましょう。ただし優しく当てるように心がけ、力を入れすぎないように注意しましょう。

 

歯磨き粉の正しい選択方法

インプラントを磨くときは、研磨剤の入っていない歯磨き粉を選ぶことが大切です。研磨剤は、インプラントの表面を傷つける可能性があるためです。フッ素配合の歯磨き粉がおすすめです。

 

就寝前のケアで気をつけること

寝ている間は唾液の分泌量が減るため、細菌が繁殖しやすくなります。就寝前は必ず歯を磨き、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間もしっかりと清掃しましょう。

 

【ステップ2】インプラント専用ケアアイテムの選び方

【ステップ2】インプラント専用ケアアイテムの選び方

インプラントを健康に保つには、専用のケアアイテムを使うのが効果的です。ここでは、インプラントに適したアイテムの選び方や使い方を紹介します。

 

デンタルフロスの使い方と選び方

デンタルフロスは、歯と歯の間の汚れを取り除くのに役立ちます。インプラントの場合は、通常のフロスよりも太めのものや、ゴムやシリコンでコーティングされたフロスがおすすめです。フロスを歯と歯の間に入れ、インプラントの周りを円を描くようにして動かします。天然の歯の場合もそうですがこの際、フロスを歯茎に強く押し当てすぎない事も重要です。

 

歯間ブラシの効果的な使用方法

歯間ブラシは、歯と歯の間や、インプラントと歯茎の間の汚れを取り除くのに便利です。インプラントの大きさや形状に合ったサイズの歯間ブラシを選びましょう。ブラシを歯と歯の間に差し込み、前後に動かしながら汚れを取り除きます。

 

口腔洗浄器の活用法

口腔洗浄器は、水圧で歯の表面や歯間の汚れを洗い流すことができます。インプラントの周りの歯垢を取り除くのに効果的です。低い水圧から始め、徐々に慣れていくことが大切です。ただし、補助的に使う分には有効ですがこの器具のみでは充分ではありませんので注意が必要です。

 

おすすめのケアアイテム

インプラントのお手入れには、次のようなアイテムがおすすめです:

  1. 1. 柔らかめの歯ブラシ
  2. 2. 低研磨性or研磨剤無配合の歯磨き粉
  3. 3. ワックス加工or樹脂コーティングのデンタルフロス
  4. 4. サイズの合った歯間ブラシ
  5. 5. 口腔洗浄器

 

【ステップ3】歯科医院でのプロフェッショナルケア

【ステップ3】歯科医院でのプロフェッショナルケア

自宅でのお手入れに加え、定期的に歯科医院でプロフェッショナルケアを受けることが大切です。ここでは、歯科医院でのケアの内容と重要性について説明します。

 

定期健診の重要性

インプラントを長持ちさせるには、定期的な歯科健診が欠かせません。自覚症状がなくても、半年から1年に1回は歯科医院を受診しましょう。歯科医師が、インプラントの状態や、お口の中の健康状態をチェックします。

 

プロによるクリーニングの内容

歯科医院では、歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングを受けることができます。

 

▶PMTC(専門的機械的歯面清掃)

PMTCは、歯科衛生士が特別な器具を使って、歯の表面や歯と歯茎の境目に付着した歯垢や歯石を取り除く処置です。自宅でのお手入れでは落としきれない汚れを除去し、お口の中を清潔に保ちます。

 

▶メンテナンス時のチェック項目

定期メンテナンス時には、以下のようなチェックが行われます:

  1. 1. インプラントの動揺(ぐらつき)や違和感の有無
  2. 2. 歯茎の腫れや出血の有無
  3. 3. お口の中の清掃状態
  4. 4. かみ合わせの状態
  5. 5. エックス線写真でのインプラント周囲の骨の状態

これらのチェックにより、インプラントの状態を詳しく確認し、必要に応じて治療やお手入れ方法の調整を行います。

 

定期健診の適切な頻度

インプラントの定期健診の間隔は、患者様のお口の状態によって異なります。基本的には、3か月~半年に1回の受診が推奨されています。ただし、歯周病の進行が早い方や、お口の中の清掃状態が良くない方は、より頻繁な受診が必要な場合があります。

 

【ステップ4】インプラント周囲炎を予防するための注意点

【ステップ4】インプラント周囲炎を予防するための注意点

インプラント周囲炎を予防するには、日常生活での注意点も大切です。ここでは、生活習慣に関する注意点を説明します。

 

喫煙が与える影響について

喫煙は、インプラント周囲炎のリスクを高める大きな要因の一つです。タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、インプラント周りの血流を悪化させます。また、喫煙によりお口の中の細菌が増加し、感染のリスクが高まります。インプラントを健康に保つためには、禁煙が強く推奨されます。

 

食生活での注意点

歯やインプラントの周りは、食べかすが溜まりやすい部分です。特に、粘りけのある食べ物や、小さな種などは注意が必要です。食後は、歯磨きや歯間ブラシを使って、インプラント周りの食べかすを丁寧に取り除くようにしましょう。また、硬いものを噛んだり、片側だけで噛んだりすることは、インプラントに負担をかける可能性があるので避けましょう。

 

不調のサインと対処方法

インプラントに不調のサインが現れたら、早めに歯科医院を受診することが大切です。以下のような症状がある場合は、要注意です:

  1. 1. インプラント周りの歯茎の腫れや痛み
  2. 2. 歯茎からの出血
  3. 3. インプラントのぐらつき
  4. 4. 噛み合わせの違和感
  5. 5. インプラント周りからの膿の排出

これらの症状を感じたら、すぐに歯科医院に連絡し、診察を受けるようにしましょう。早期発見・早期治療が、インプラント周囲炎の悪化を防ぐカギとなります。

 

かかりつけ医の重要性

インプラントを長く健康に保つには、かかりつけの歯科医院を持つことが大切です。インプラントの状態を把握し、適切なアドバイスをしてくれる歯科医師と、信頼関係を築くことが重要です。定期的な健診やメンテナンスを通じて、自分のインプラントの状態を理解し、お口の健康を維持しましょう。

 

インプラントのメンテナンス費用と頻度

インプラントのメンテナンス費用と頻度

インプラントを健康に保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。ここでは、メンテナンスにかかる費用や頻度について説明します。

 

定期メンテナンスの標準的な費用

インプラントの定期メンテナンスの費用は、歯科医院によって異なります。一般的に、クリーニングや検査を含む定期メンテナンスの費用は、1回あたり5,000円から15,000円程度が相場です。ただし、インプラントの本数や、メンテナンスの内容によって、費用は変動しますので歯科医院にご確認ください。

 

保険適用と自己負担について

現在、日本の公的医療保険では、インプラント治療自体は保険適用外となっています。そのため、インプラントのメンテナンスにかかる費用も、原則として自己負担となります。ただし、インプラント周囲炎の治療などは、保険適用となる場合があります。詳しくは、かかりつけの歯科医院に相談しましょう。

 

医療費控除の活用方法

インプラントのメンテナンスにかかる費用は、医療費控除の対象となります。医療費控除とは、年間の医療費が一定額を超えた場合に、税金の一部が戻ってくる制度です。インプラントのメンテナンス費用も、医療費控除の対象となる医療費に含めることができます。医療費控除を受けるためには、歯科医院で発行された領収書が必要です。領収書は大切に保管し、確定申告の際に活用しましょう。

 

老後のインプラントケア|年齢による注意点

老後のインプラントケア|年齢による注意点

インプラントは、高齢になっても健康な口腔機能を維持するために重要な役割を果たします。ここでは、加齢に伴うインプラントケアの注意点について説明します。

 

加齢に伴う口腔内の変化

年齢を重ねると、唾液の分泌量が減少し、お口の中が乾燥しやすくなります。また、手指の動きが鈍くなることで、ブラッシングがしづらくなる場合もあります。こうした変化により、インプラント周りのお手入れが難しくなることがあります。

 

高齢者向けのケアポイント

高齢になっても、インプラントを健康に保つためには、以下のようなポイントに注意しましょう:

  1. 1. 歯ブラシは、柄が太くて持ちやすいものを選ぶ
  2. 2. 場合によっては電動歯ブラシを活用する
  3. 3. 口腔洗浄器を使って、インプラント周りの汚れを落とす
  4. 4. 定期的な歯科医院でのメンテナンスを欠かさない
  5. 5. 口の体操や、唾液腺マッサージを行い、唾液の分泌を促す

これらのポイントを押さえることで、高齢になっても、インプラントを健康に保つことができます。

 

介護が必要になった場合の対応

介護が必要になった場合は、ご家族や介護者の方と連携して、インプラントのお手入れを行うことが大切です。介護者の方には、インプラントのお手入れ方法を説明し、協力をお願いしましょう。また、歯科医師や歯科衛生士から、介護者の方へ直接指導を受けることも大切です。

 

インプラントのお手入れ|よくある質問

インプラントのお手入れ|よくある質問

ここでは、インプラントのお手入れについて、よくある質問とその答えをご紹介します。

インプラントの寿命について

 

▶どのくらい持つの?

インプラントの寿命は、お手入れの仕方や口腔内の状態によって大きく異なります。適切なお手入れを行えば、10年以上、場合によっては一生涯持つこともあります。定期的なメンテナンスを受け、早期に異常を発見・治療することが大切です。

 

▶寿命を延ばすためのポイントは?

インプラントの寿命を延ばすためには、以下のポイントが重要です:

  1. 1. 毎日の歯磨きを丁寧に行う
  2. 2. 歯間ブラシやデンタルフロスを使って、隅々までお手入れする
  3. 3. 定期的な歯科医院でのメンテナンスを受ける
  4. 4. 禁煙し、バランスの取れた食生活を心がける

 

インプラントのお手入れについて

 

▶天然歯と同じように磨いても大丈夫?

インプラントは、天然歯と同じようにブラッシングすることが基本です。ただし、インプラントの周りは、より丁寧に磨く必要があります。柔らかい歯ブラシで力を入れすぎず、インプラントと歯茎の境目を磨くようにしましょう。

 

▶専用の歯ブラシは必要?

インプラント専用の歯ブラシを使う必要はありませんが、毛先が細かくて柔らかいものを選ぶと良いでしょう。

 

▶フロスは使っても安全?

デンタルフロスは、インプラントにも使用できます。通常のフロスよりも、ワックス加工や樹脂コーティングされたものの方が、扱いやすいので おすすめです。

 

▶歯磨き粉は何を選べばいい?

研磨剤の入っていない、低研磨性の歯磨き粉を選ぶことが大切です。研磨剤は、インプラントの表面を傷つける可能性があるためです。フッ素配合の歯磨き粉がおすすめです。

 

メンテナンスについて

 

▶定期健診は何ヶ月おきが理想?

インプラントの定期健診は、基本的に3か月から半年に1回が理想的です。ただし、お口の状態によっては、より頻繁に受診が必要な場合もあります。かかりつけの歯科医師と相談して、適切な間隔を決めましょう。

 

▶費用はどのくらいかかる?

インプラントの定期メンテナンスの費用は、歯科医院によって異なります。一般的には、1回あたり5,000円から15,000円程度が相場です。

 

▶保険は使える?

現在、日本の公的医療保険では、インプラント治療自体は保険適用外となっています。そのため、インプラントのメンテナンスにかかる費用も、原則として自己負担となります。ただし、インプラント周囲炎の治療などは、保険適用となる場合があります。

 

トラブルについて

 

▶違和感が続くのは正常?

インプラントに違和感が続く場合は、要注意です。インプラントのゆるみや、噛み合わせのずれなどが原因の可能性があります。違和感が続く場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。

 

▶出血したらどうすれば?

インプラント周りの歯茎から出血した場合は、インプラント周囲炎の可能性があります。出血が続く場合は、すぐに歯科医院を受診しましょう。

 

▶歯ぐきが腫れた時の対処法は?

インプラント周りの歯茎が腫れた場合も、インプラント周囲炎の可能性があります。まずは、歯磨きを丁寧に行い、様子を見ましょう。腫れが引かない場合は、早めに歯科医院を受診してください。

 

まとめ:インプラントのお手入れで押さえるべき4つのポイント

まとめ:インプラントのお手入れで押さえるべき4つのポイント

ここまで、インプラントのお手入れ方法や注意点について詳しく説明してきました。最後に、インプラントを長持ちさせるために押さえるべき4つのポイントを振り返ります。

 

毎日のセルフケアのまとめ

 

▶基本の歯磨き方法

インプラントの毎日のお手入れで最も大切なのは、丁寧な歯磨きです。歯ブラシを小刻みに動かしながら、インプラントの周りを念入りに磨きましょう。歯と歯茎の境目も忘れずに磨くことが大切です。

 

▶専用ケアアイテムの使い方

歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間や、インプラントと歯茎の間の汚れを取り除きましょう。インプラントの形状に合ったものを選び、優しく丁寧に使用することが重要です。

 

プロによるケアのまとめ

 

▶定期健診の重要性

インプラントを長持ちさせるには、定期的な歯科健診が欠かせません。3か月から半年に1回、歯科医院でインプラントの状態をチェックしてもらいましょう。定期健診では、インプラントの動揺や、お口の中の状態を詳しく確認します。

 

▶メンテナンスの頻度

定期健診の際には、プロによるクリーニングも受けることができます。歯科衛生士が専用の器具を使って、インプラント周りの汚れや歯石を取り除きます。自宅でのお手入れでは落としきれない汚れを除去し、トラブルを早期に発見することができます。メンテナンスの頻度は、お口の状態によって異なりますが、3か月から半年に1回が一般的です。

 

トラブル予防のまとめ

 

▶生活習慣での注意点

インプラントを健康に保つには、禁煙や、バランスの取れた食生活が大切です。特に、喫煙は、インプラント周囲炎のリスクを高めるので、できるだけ避けましょう。

 

▶早期発見のポイント

インプラントに違和感や痛み、腫れなどの異変を感じたら、早めに歯科医院を受診しましょう。トラブルを早期に発見し、適切な処置を受けることが、インプラントを長持ちさせるカギとなります。

 

長期的な管理のまとめ

 

▶年齢による注意点

年齢を重ねると、お口の中の状態も変化します。高齢になっても、インプラントを健康に保つためには、こまめなお手入れと、定期的なメンテナンスが大切です。

 

▶継続的なケアの重要性

インプラントは、一生涯にわたって、継続的なお手入れが必要です。自宅でのセルフケアと、歯科医院でのプロフェッショナルケアを組み合わせて、インプラントを健康に保ちましょう。

インプラントのお手入れは、毎日の積み重ねが大切です。正しいお手入れ方法を習慣づけて、インプラントを長持ちさせましょう。

 

前橋かんだ歯科・矯正歯科では、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた、きめ細やかなインプラントのメンテナンスを提供しております。定期健診では、インプラントの状態を詳しくチェックし、早期にトラブルを発見・治療することで、インプラントの寿命を延ばすことを目指しています。

インプラントのお手入れについてご不明な点がございましたら、お気軽に当院までご相談ください。
皆様のご来院をお待ちしております。

 

前橋かんだ歯科・矯正歯科
院長  神田 雄紀

 

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