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フッ素はインプラントを腐食させる?歯科医が答える疑問と対策

2024.11.19

皆さん、こんにちは。

群馬県前橋市にある前橋かんだ歯科・矯正歯科の院長 神田 雄紀です。

 

「インプラントにフッ素入りの歯磨き粉を使っても大丈夫なの?フッ素がインプラントを腐食させるって本当?」と心配している方も多いのではないでしょうか。

実は、通常の濃度のフッ素はインプラントに悪影響を与えることはなく、むしろ口腔内の健康維持に重要な役割を果たします。

この記事では、インプラントとフッ素の関係、腐食に関する誤解と真実、そして適切なインプラントケア方法について、歯科医の見解を交えながら詳しく解説します。

 

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目次

フッ素はインプラントを腐食させるのか?真実を解明

フッ素はインプラントを腐食させるのか?真実を解明

 

フッ素がインプラントに悪影響を与えるという誤解の背景

フッ素がインプラントを腐食させるという誤解は、過去の研究結果が一人歩きしたことが原因だと考えられます。確かに、非常に高濃度のフッ素に長時間さらされた場合、チタン製のインプラントに影響を与える可能性があるという報告がありました。しかし、これは的に使用される濃度のフッ素では起こりえない現象です。この誤解が広まった背景には、インプラントを腐食から守りたいという患者様の強い思いがあるのかもしれません。

 

実際のフッ素とインプラントの相互作用

実際には、通常の濃度で使用されるフッ素がインプラントに悪影響を及ぼすことはほとんどありません。インプラントに使用されるチタンは優れた耐腐食性を持っており、口腔内の環境では腐食が発生しにくい素材です。さらに、フッ素には歯を強化し、虫歯や歯周病のリスクを下げる効果があるため、インプラント周囲の天然歯を守るためにはフッ素の使用が推奨されます。適切な濃度と使用法を守れば、フッ素はインプラントにとって味方となる存在なのです。

 

科学的研究が示すフッ素の安全性

近年の科学的研究では、フッ素がインプラントに悪影響を与えるという証拠は乏しいことが明らかになっています。多くの研究で、通常の濃度のフッ素を使用した場合、インプラントのチタンに有意な変化が見られないことが報告されています。また、インプラント治療を受けた患者様を長期的に観察した研究でも、フッ素の使用がインプラントの予後に悪影響を及ぼすという結果は得られていません。これらの科学的エビデンスから、フッ素はインプラントにとって安全で有益な存在であると考えられます。

 

インプラントとフッ素入り歯磨き粉:安全性と効果

インプラントとフッ素入り歯磨き粉:安全性と効果

 

フッ素入り歯磨き粉の基本的な効果

フッ素入り歯磨き粉は、歯を強くし、虫歯や歯周病を予防するために広く使用されています。フッ素は歯のエナメル質を強化し、酸によるダメージから歯を守ります。また、フッ素は口の中の細菌の活動を抑制し、虫歯の原因となる酸の生成を減らす働きがあります。このようなフッ素の効果は、インプラントを持つ人にとっても大切です。インプラント自体は虫歯にはなりませんが、インプラント周囲の天然の歯を健康に保つことが重要だからです。

 

インプラント周辺の口腔環境改善におけるフッ素の役割

フッ素入り歯磨き粉を使うことで、インプラント周辺の口腔環境を改善できます。インプラントの周りに天然の歯が残っている場合、これらの歯を虫歯や歯周病から守ることが大切です。もしインプラント周辺の歯が悪くなると、インプラントにも悪影響が及ぶ可能性があります。フッ素はインプラント周辺の歯を強くし、健康を維持するのに役立ちます。また、フッ素には歯垢(プラーク)の形成を抑える効果もあるため、インプラント周囲炎のリスクを下げることにもつながります。

 

推奨されるフッ素濃度と使用頻度

インプラントを持つ人が使用するフッ素入り歯磨き粉の濃度は、一般的に950〜1500ppmが推奨されます。この濃度範囲であれば、インプラントに悪影響を与えることなく、虫歯予防の効果が期待できます。また、フッ素入り歯磨き粉の使用頻度は、通常の歯磨きと同様に1日2~3回が理想的です。ただし、フッ素の濃度が高すぎる歯磨き粉や、過度に頻繁な使用は避けるべきです。濃度や使用法について不明な点がある場合は、かかりつけの歯科医にご相談ください。

 

この章では、フッ素入り歯磨き粉の基本的な効果と、インプラントを持つ人にとっての安全性について説明しました。フッ素がインプラント周辺の口腔環境を改善し、インプラントを支える天然の歯の健康維持に役立つことを理解していただけたかと思います。次の章では、歯科医の見解を交えながら、フッ素とインプラントの関係についてさらに詳しく解説します。

 

フッ素がインプラントに及ぼす影響:歯科医の見解

フッ素がインプラントに及ぼす影響:歯科医の見解

 

日本口腔衛生学会の推奨事項

日本口腔衛生学会は、フッ素入り歯磨き粉の使用をインプラントを持つ人にも推奨しています。学会では、適切な濃度のフッ素であれば、インプラントに悪影響を与えることはなく、むしろ口腔内の健康維持に役立つと述べています。これは、フッ素の虫歯予防効果が科学的に証明されており、インプラント周辺の天然歯を守るために重要だと考えられているからです。学会の見解は、多くの歯科医師が臨床現場で患者様にアドバイスする際の基盤となっています。

 

歯科医が語るフッ素の重要性

インプラント治療を行う多くの歯科医は、フッ素の重要性を認識しています。適切なフッ素の使用がインプラントの長期的な成功に不可欠だと考えているため、患者様に対してフッ素入り歯磨き粉の使用をおすすめすることが多いです。

これは、インプラント周囲の健康が維持されることで、インプラントが長持ちし、トラブルが少なくなるためです。かかりつけの歯科医に相談すれば、患者様一人ひとりの状態に合わせて、最適なフッ素の濃度や使用法をアドバイスしてくれるはずです。

 

長期的なインプラントの維持とフッ素の関係

フッ素は、インプラントを長期的に維持するために重要な役割を果たします。インプラントが機能するためには、周りの骨や歯ぐきが健康であることが大切です。フッ素は、インプラント周辺の天然歯を虫歯から守り、歯周病のリスクを下げることで、これらの支持組織の健康を保ちます。また、フッ素はインプラント表面のバイオフィルム(細菌の膜)の形成を抑制する効果もあるため、インプラント周囲炎の予防にもつながります。こうしたフッ素の働きにより、インプラントは長期にわたって安定した状態を維持できるのです。

 

以上の内容から、歯科医療の専門家がフッ素の使用をインプラントを持つ人に推奨している理由がご理解いただけたかと思います。次の章では、インプラント治療後の適切な歯磨き粉の選び方について説明します。

 

インプラント治療後の適切な歯磨き粉の選び方

インプラント治療後の適切な歯磨き粉の選び方

 

フッ素配合歯磨き粉の選択基準

インプラント治療後に使用する歯磨き粉は、適切なフッ素濃度のものを選ぶことが大切です。歯科医が一般的に推奨するのは、950〜1500ppmのフッ素を含む歯磨き粉です。この濃度範囲のフッ素であれば、インプラントに悪影響を与えることなく、虫歯予防の効果が期待できます。また、歯磨き粉に含まれる他の成分にも注意が必要です。例えば、研磨剤の種類や配合量、発泡剤の有無などを確認し、自分の口内状況に合ったものを選びましょう。

 

避けるべき成分と注意点

 

▶研磨剤の影響

歯磨き粉に含まれる研磨剤は、歯の表面の汚れを取り除く働きがありますが、種類によってはインプラントや歯ぐきに悪影響を与える可能性があります。特に、粒子の大きい研磨剤は、インプラントの表面を傷つけたり、歯ぐきを痛めたりすることがあるので避けましょう。できれば研磨剤不使用の歯磨き粉を選ぶのがおすすめです。

 

▶顆粒入り歯磨き粉のリスク

顆粒入りの歯磨き粉は、歯の表面の汚れを落とす効果が高いと言われていますが、インプラントを持つ人には注意が必要です。粒子が大きすぎると、インプラントの表面を傷つける可能性があります。また、顆粒が歯ぐきに入り込んで炎症を引き起こすこともあるので、顆粒入りの歯磨き粉は避けた方が無難です。インプラントに優しい歯磨き粉を選ぶことで、トラブルを防ぐことができます。

 

歯科医院推奨の歯磨き粉を使用する

インプラント治療を受けた後は、かかりつけの歯科医院で推奨される歯磨き粉を使うのが最も安心です。自分の口内状況に合わせて、歯科医や歯科衛生士が適切な歯磨き粉を選んでくれます。市販の歯磨き粉を選ぶ際は、成分表示をよく確認し、疑問点があれば歯科医や歯科衛生士に相談しましょう。

 

以上が、インプラント治療後の適切な歯磨き粉の選び方についての説明です。フッ素濃度や研磨剤、顆粒の有無などに注意し、自分に合った歯磨き粉を選ぶことが大切だということがお分かりいただけたかと思います。次の章では、フッ素使用のメリットとインプラントケアの重要性について詳しく解説します。

 

フッ素使用のメリットとインプラントケアの重要性

フッ素使用のメリットとインプラントケアの重要性

 

歯の再石灰化促進効果

フッ素の大きなメリットの一つは、歯の再石灰化を促進する効果です。再石灰化とは、歯の表面が酸で溶けてしまった部分に、カルシウムやリンなどのミネラルが再び取り込まれ、歯が修復される過程のことです。フッ素は、このミネラルの取り込みを助ける働きがあります。つまり、フッ素を使うことで、虫歯になりかけた部分を自然に修復することができるのです。これは、インプラント周辺の天然歯を健康に保つために重要な効果です。

 

虫歯予防と口腔内細菌の抑制

フッ素のもう一つの重要なメリットは、虫歯の予防です。フッ素は歯の表面に付着し、酸によるエナメル質の溶解を防ぐ働きがあります。また、フッ素には口腔内の細菌の活動を抑制する効果もあります。虫歯の原因となる細菌は、糖分を餌にして酸を作り出しますが、フッ素はこの酸の生成を抑えます。その結果、虫歯のリスクが下がるのです。インプラントを持つ人にとって、周囲の天然歯を虫歯から守ることは非常に大切です。

 

インプラント周囲の天然歯を守る重要性

インプラント治療の成功には、インプラント周囲の天然歯の健康が大きく関係しています。天然歯が虫歯や歯周病になると、インプラントに悪影響が及ぶ可能性があります。例えば、虫歯が進行して歯を失うと、インプラントに余分な力がかかり、トラブルの原因になることがあります。また、歯周病によって歯ぐきが下がると、インプラントの見た目が悪くなったり、インプラント周囲炎のリスクが高まったりします。そのため、インプラントを長持ちさせるには、周りの天然歯をしっかりケアすることが不可欠なのです。

 

以上のように、フッ素の使用は、インプラント周囲の天然歯の健康維持に大きく貢献します。虫歯や歯周病を予防し、歯を丈夫に保つことで、インプラントへの悪影響を防ぐことができるのです。次の章では、インプラント周囲炎の予防におけるフッ素の役割について説明します。

 

インプラント周囲炎予防とフッ素の役割

インプラント周囲炎予防とフッ素の役割

 

インプラント周囲炎の概要と危険性

インプラント周囲炎は、インプラントを支える歯ぐきや骨に炎症が起こる病気です。歯磨きが十分でないと、インプラントの周りに歯垢(プラーク)がたまり、細菌が増えることが原因です。インプラント周囲炎が進行すると、歯ぐきが腫れたり、出血したり、口臭が出たりするだけでなく、インプラントを支える骨が溶けてしまうこともあります。最悪の場合、インプラントが抜け落ちてしまう可能性もあるので、早期発見と予防が大切です。

 

フッ素によるプラーク形成抑制効果

フッ素は、インプラント周囲炎の予防に重要な役割を果たします。前の章で説明したように、フッ素には口腔内の細菌の活動を抑制する効果があります。これは、インプラントの周りに付着するプラーク(歯垢)の形成を抑えることにつながります。プラークは細菌の巣窟なので、プラークが少ないとインプラント周囲炎のリスクが下がるのです。また、フッ素はプラークが付着しにくくする働きもあると考えられています。

 

定期的なフッ素使用の重要性

インプラント周囲炎を予防するには、毎日の歯磨きとともに、定期的なフッ素の使用が欠かせません。フッ素入り歯磨き粉を使って丁寧に歯を磨くことで、プラークの蓄積を防ぎ、インプラント周囲の衛生状態を保つことができます。また、歯科医院で定期的にフッ素塗布を受けることも効果的です。プロによるクリーニングとフッ素塗布により、自分では落としきれないプラークを除去し、インプラントの周りを清潔に保つことができるのです。インプラントを長持ちさせるために、定期的なフッ素使用を習慣づけましょう。

 

インプラント周囲炎はインプラントを失う原因にもなる怖い病気ですが、フッ素を上手に使うことで予防することができます。日々の歯磨きと定期的な歯科医院でのケアを組み合わせることが、インプラント周囲炎の予防に役立つのです。次の章では、歯科医院でのフッ素処置の種類と注意点について解説します。

 

歯科医院でのフッ素処置:インプラント患者様の注意点

歯科医院でのフッ素処置:インプラント患者様の注意点

 

専門的なフッ素処置の種類と特徴

歯科医院では、専門的なフッ素処置を受けることができます。主な方法としては、ジェルやペーストを使った塗布、トレーを使ったフッ素の配布、泡状のフッ素を使った処置などがあります。これらの方法は、歯磨き粉よりも高濃度のフッ素を使用するため、効果が高いと言われています。また、歯科衛生士が丁寧に処置を行うので、自宅でのケアでは届きにくい部分までフッ素を行き渡らせることができます。

 

高濃度フッ素処置時の注意事項

専門的なフッ素処置では、通常の歯磨き粉よりも高濃度のフッ素を使用します。このため、処置後しばらくの間は注意が必要です。例えば、処置後30分から1時間程度は飲食を控えめにし、激しい歯磨きは避けるようにしましょう。これは、高濃度のフッ素が歯に十分浸透するのを助け、フッ素の効果を最大限に引き出すためです。また、高濃度のフッ素に敏感な方は、処置後に一時的なしみやピリピリとした感覚を感じることがあります。心配なことがあれば、歯科医や歯科衛生士に相談しましょう。

 

定期健診とフッ素処置の重要性

インプラントを長持ちさせるためには、定期的な歯科健診と専門的なフッ素処置が欠かせません。歯科医院では、インプラントの状態をチェックし、必要なクリーニングやメンテナンスを行います。また、患者様一人ひとりの状態に合わせて、最適なフッ素処置を提供します。定期健診の間隔は、患者様のお口の状態によって異なりますが、通常は3〜6ヶ月に1度以上が推奨されています。自宅でのケアとともに、定期的な歯科医院でのケアを習慣づけることで、インプラントを健康に保ち、長く使い続けることができるのです。

 

専門的なフッ素処置は、インプラントを持つ患者様にとって重要なケアの一つです。高濃度のフッ素を使用することで、自宅ケアでは難しい部分までフッ素を届けることができます。定期健診とあわせて、専門的なフッ素処置を受けることが、インプラントの長期的な健康維持につながるのです。次の章では、インプラントの長期的なケアとフッ素の活用について説明します。

 

インプラントの長期的なケアとフッ素の活用

インプラントの長期的なケアとフッ素の活用

 

日常的なフッ素使用の重要性

インプラントを長持ちさせるために、日常的なフッ素の使用が重要です。毎日の歯磨きでフッ素入り歯磨き粉を使うことで、インプラント周囲の歯垢(プラーク)の蓄積を防ぎ、虫歯や歯周病のリスクを下げることができます。また、フッ素は歯を強くする働きがあるので、エナメル質の修復にも役立ちます。インプラントを持つ人は、自然の歯と同じように、毎日の歯磨きにフッ素を取り入れることが大切です。

 

インプラントの寿命とフッ素の関係

インプラントの寿命は、口腔内の健康状態によって大きく左右されます。フッ素を適切に使用することで、インプラント周囲の環境を良好に保ち、インプラントの寿命を延ばすことができます。逆に、フッ素の使用を怠ると、虫歯や歯周病が進行し、インプラントに悪影響を及ぼす可能性があります。インプラントは高価な治療なので、できるだけ長く使えるようにフッ素を活用し、口腔内の健康を維持することが賢明です。

 

フッ素を活用した効果的な口腔ケア方法

インプラントを持つ人が、フッ素を活用して効果的に口腔ケアを行うためには、いくつかのポイントがあります。まず、フッ素入り歯磨き粉を使って、インプラントの周りを含む全ての歯を丁寧に磨くことが基本です。歯ブラシは柔らかめのものを選び、優しく時間をかけて磨きましょう。また、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間や、インプラントの周りの汚れを取り除くことも大切です。さらに、フッ素配合のマウスウォッシュを使うことで、口腔内全体にフッ素を行き渡らせることができます。これらを組み合わせることで、フッ素の効果を最大限に引き出し、インプラントと自然の歯の健康を守ることができるのです。

 

以上のように、フッ素を日常的に使用し、効果的な口腔ケアを行うことが、インプラントの長期的な健康維持に役立ちます。自然の歯と同じように、インプラントにもフッ素が必要だということを理解し、適切なケアを心がけることが大切です。

次の章では、フッ素とインプラントについて、よくある質問にお答えします。

 

インプラントとフッ素に関する<よくある質問>

インプラントとフッ素に関する よくある質問

 

フッ素はインプラントを腐食させますか?

フッ素がインプラントを腐食させるというのは誤解です。インプラントに使われているチタンは、非常に錆びにくい金属です。通常の濃度のフッ素では、インプラントが腐食することはありません。むしろ、フッ素はインプラント周囲の虫歯や歯周病を予防する効果があるので、インプラントの健康維持に役立ちます。ただし、極端に高濃度のフッ素に長時間さらされた場合は、注意が必要です。

 

インプラント後もフッ素入り歯磨き粉を使って大丈夫ですか?

はい、インプラント治療後もフッ素入り歯磨き粉を使用することをおすすめします。フッ素入り歯磨き粉は、インプラント周囲の自然の歯を虫歯から守り、歯周病を予防する効果があります。また、適切な濃度のフッ素であれば、インプラントに悪影響を与えることはありません。歯科医に相談して、自分に合ったフッ素入り歯磨き粉を選びましょう。

 

インプラント周囲炎とフッ素の関係は?

フッ素はインプラント周囲炎の予防に役立ちます。インプラント周囲炎は、インプラントの周りに歯垢(プラーク)がたまり、細菌が増えることで起こります。フッ素には、このプラークの形成を抑える効果があるので、インプラント周囲炎のリスクを下げることができるのです。ただし、フッ素だけでインプラント周囲炎を完全に予防することはできません。毎日の歯磨きと定期的な歯科健診が合わさって、インプラント周囲炎を防ぐことができます。

 

フッ素の濃度によってインプラントへの影響は変わりますか?

フッ素の濃度が高すぎると、インプラントへの影響が心配になる人もいるかもしれません。しかし、通常の歯磨き粉に含まれる濃度のフッ素であれば、インプラントに悪影響を与えることはほとんどありません。歯科医が推奨する濃度は、950〜1500ppmです。この濃度範囲であれば、インプラントを傷めることなく、虫歯予防の効果が期待できます。ただし、極端に高濃度のフッ素を長期間使用することは避けた方が無難です。

 

インプラント治療直後からフッ素を使用できますか?

インプラント手術後すぐは、傷口が治るまでの間、歯磨きを控えめにする必要があります。この時期は、フッ素入り歯磨き粉の使用も控えた方が良いでしょう。傷口が落ち着いてきたら、歯科医に相談して、フッ素入り歯磨き粉を使い始めましょう。多くの場合、インプラント手術から1〜2週間程度で、フッ素入り歯磨き粉の使用を始められます。ただし、個人差があるので、必ず歯科医の指示に従ってください。

 

フッ素がインプラントに与える長期的な影響はありますか?

適切な濃度のフッ素を使用する限り、インプラントに長期的な悪影響を与えることはほとんどありません。むしろ、フッ素はインプラント周囲の健康を維持するのに役立ちます。虫歯や歯周病を予防し、インプラントの寿命を延ばす効果が期待できます。ただし、定期的な歯科健診を受けて、インプラントの状態をチェックすることが大切です。万が一、問題が見つかった場合は、早期に対処することが重要です。

 

自然の歯とインプラントでフッ素の効果に違いはありますか?

フッ素は自然の歯とインプラントの両方に良い影響を与えます。自然の歯に対しては、虫歯予防と再石灰化促進の効果があります。一方、インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲の自然の歯を虫歯から守る効果があります。また、インプラントの周りに付着する歯垢(プラーク)の形成を抑える効果もあるので、インプラント周囲炎の予防に役立ちます。つまり、フッ素は自然の歯とインプラントの両方の健康維持に欠かせない存在なのです。

 

フッ素を使用しないインプラントケア方法はありますか?

フッ素を使用しない歯磨き粉もありますが、インプラントを持つ人には、フッ素配合の歯磨き粉の使用をおすすめします。フッ素には虫歯予防とインプラント周囲炎予防の効果があるため、インプラントの長期的な健康維持に役立つからです。もし、フッ素アレルギーなどの理由でフッ素が使えない場合は、歯科医に相談して、フッ素を使わない歯磨き粉を選ぶ必要があります。その場合でも、丁寧な歯磨きと定期的な歯科健診でインプラントの健康を守ることが大切です。

 

インプラントとフッ素に関する様々な質問にお答えしました。適切な濃度のフッ素を使用することで、インプラントに悪影響を与えることなく、インプラント周囲の健康を守ることができるということがお分かりいただけたかと思います。疑問や不安があれば、かかりつけの歯科医に相談することをおすすめします。次の章では、これまでの内容をまとめ、インプラントとフッ素の関係について理解を深めていきます。

 

まとめ:インプラントとフッ素の関係を理解しよう

まとめ:インプラントとフッ素の関係を理解しよう

 

歯科で使用する濃度のフッ素はインプラントの腐食を引き起こさない

フッ素がインプラントを腐食させるという情報を見たことがある人もいるかもしれません。しかし、これは誤解です。インプラントに使われているチタンは、錆びにくい性質を持っています。通常の濃度のフッ素では、インプラントが腐食することはありません。むしろ、フッ素はインプラント周囲の虫歯や歯周病を予防する効果があるので、インプラントの健康維持に役立つのです。

 

適切な濃度のフッ素使用はインプラントケアに有効

インプラントを持つ人が使用するフッ素入り歯磨き粉の濃度は、950〜1500ppmが推奨されています。この濃度範囲であれば、インプラントに悪影響を与えることなく、虫歯予防の効果が期待できます。また、フッ素には歯垢(プラーク)の形成を抑える効果もあるので、インプラント周囲炎の予防にも役立ちます。適切な濃度のフッ素を使用することが、インプラントの長期的な健康維持につながるのです。

 

インプラント治療後のフッ素活用のポイント

インプラント治療後は、定期的な歯科健診とプロフェッショナルクリーニングが重要です。その際に、歯科医院でフッ素塗布を受けることをおすすめします。専門的なフッ素処置は、自宅ケアよりも高濃度のフッ素を使用するため、効果が高いと言われています。また、日常的なホームケアでは、フッ素入り歯磨き粉を使って丁寧に歯を磨くことが大切です。デンタルフロスや歯間ブラシを使って、インプラントの周りの汚れを取り除くことも忘れずに。

 

定期的な歯科健診とプロフェッショナルケアの重要性

インプラントを長持ちさせるには、定期的な歯科健診が欠かせません。歯科医院では、インプラントの状態をチェックし、必要なクリーニングやメンテナンスを行います。また、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、最適なフッ素処置を提供します。自宅でのケアと合わせて、定期的な歯科医院でのケアを習慣づけることが、インプラントの健康維持に役立ちます。

 

正しい知識で安心・安全な口腔ケアを実践しよう

フッ素とインプラントの関係について正しく理解することが、安心・安全なインプラント維持の第一歩です。フッ素はインプラントの味方であり、適切に使用することでインプラントの寿命を延ばすことができます。一方で、フッ素の濃度や使用法には注意が必要です。疑問や不安があれば、かかりつけの歯科医に相談しましょう。正しい知識を身につけ、適切な口腔ケアを実践することで、インプラントと自然の歯の両方を健康に保つことができるのです。

 

インプラントとフッ素の関係について、詳しく解説してきました。フッ素はインプラントの健康維持に欠かせない存在であり、適切に使用することが大切だということがお分かりいただけたかと思います。自宅でのケアと歯科医院でのケアを組み合わせて、インプラントを大切に守っていきましょう。

 

前橋かんだ歯科・矯正歯科では、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせて、最適なアドバイスと治療プランをご提案いたします。

インプラントの相談やお口の健康について、どんな小さなことでもお気軽にお問い合わせください。

皆様のご来院を心よりお待ちしております。

 

前橋かんだ歯科・矯正歯科

院長 神田 雄紀

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