レントゲンについて
2024.03.23
歯科医院へ受診した際にレントゲン写真の撮影を経験されたことはありますか?
中には痛みはないのになぜレントゲン撮影をするのだろう?と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。そしてレントゲンはエックス線という放射線を使って撮影するため、健康への影響が気になる方もいらっしゃるかもしれません。しかしレントゲン撮影をすることは歯科の治療で診査・診断を行う上でとても大切な判断材料となります。
今回は歯科治療でレントゲン撮影を行う理由や安全性についてご説明していきます。
◎ パノラマ撮影
上下の歯全体が撮影されます。主に顎骨内部の病気の有無や虫歯、歯周病の全体的な診断、親知らずや歯の生え変わり、顎関節の状態なども確認していきます。
◎ デンタルエックス線撮影
3~4歯の部分的な撮影を行ないます。
パノラマ撮影より、より細かい情報が得られ、肉眼で見ただけでは虫歯なのか確認することが難しい隠れた虫歯の発見や、歯を支えている歯槽骨の状態、治療過程の確認を行うことができます。
◎ CT撮影
口腔周囲の状況を三次元の立体画像で確認できます。
レントゲンでは見えなかった顎の骨の状態や神経・歯の根管の状態も確認できます。こちらはインプラント治療や親知らずの抜歯、根管治療など精密な検査が必要な際に用いられます。
レントゲンの安全性は?
一般的にレントゲンはエックス線と呼ばれる放射線の1種を使って撮影します。放射線による被曝を心配される方も実際にいらっしゃいます。しかし放射線は大気中や大地など自然界にも存在し日常的に浴びています。
人が一年間で浴びる放射線量は世界平均で約2.4ミリシーベルトと言われております。
妊婦さんが出産までに浴びていいと言われる放射線量は10ミリシーベルトです。それに対して歯科で撮影するレントゲンは歯科パノラマ撮影1回で0.03ミリシーベルト。デンタルエックス線撮影1枚0.01ミリシーベルト。歯科用CTでは1回0.1ミリシーベルトになります。
下の図で表されるように、パノラマ撮影を10回受けると胃のレントゲン検査1回分の放射線量とほぼ同じということになります。またデンタルエックス線撮影を20回撮影すると飛行機で東京⇔ニューヨーク間を1往復するのと同等の放射線量となります。そして撮影時は放射線から体を守るために防護用の鉛入りのエプロンを着用していただいているため被曝量はごく小さなものと考えていいと思います。
したがって歯科医院で行われるレントゲン撮影は安全性の高いものと考えて良いでしょう。
なお撮影時、装飾品をつけたまま撮影するとレントゲンに写りこんでしまいますので、正しい診査・診断を行うためにピアス・イヤリング・ネックレス・ヘアピン・飾りのついたゴム・入れ歯は外す必要があります
レントゲンを定期的に撮影しておくことで以前のご自身のお口の中の状態と比較することができ、目視では気づかなかった虫歯や歯周病の進行や小さな変化または新たに治療が必要な箇所を発見することができます。結果として早期発見・早期治療につながるため治療期間や回数など治療に関するストレスも軽減するかと思います。近年は定期検診の重要性が広まりつつありますが、一緒にレントゲン撮影も行うとよいでしょう。