シーラント
2024.07.31
こんにちは、神田歯科医院です。歯科医院でよく行うお子さまの虫歯予防は2種類あり、「フッ素塗布」と「シーラント」があります。保護者の方なら一度は聞かれた事があるかと思います。今回は「シーラント」についてどのようなもので、どのような効果が期待でき、どういった治療するのかをお話しして行きたいと思います。
シーラントとは?
「小窩裂溝予防填塞」といい、奥歯のかみ合わせの面にある溝を歯科用プラスチックやセメントで埋めることでその溝から虫歯ができるのを予防する方法です。
乳歯や生えたての永久歯の奥歯の表面は複雑な形状をしており深く凹んでいて、歯磨きをしてもなかなか歯垢や汚れを落としきれず汚れがたまってしまい、とても虫歯になりやすいのです。特に生えてから間もない永久歯は歯の質も弱いため、油断するとすぐ虫歯になってしまいます。そこで溝をあらかじめ埋めておき、奥歯の咬む面を滑沢にすることで歯垢や食べかすが蓄積しにくくし、また清掃しやすい状態にすることで虫歯を予防することができるのです。
シーラントの予防効果
シーラントを行った子供と行っていない子供の比較データとして厚生労働省の調べによると4年以上にわたり約60%もの虫歯予防効果が認められ、フッ素塗布との併用で虫歯予防効果はさらに増加するとの報告があります。
シーラントに使われる材料
シーラントは大きく分けると「レジン」と「グラスアイオノマー」があります。
レジンは虫歯の治療によく使われる歯科用プラスチックのことで「コンポジットレジン」といい、溝を埋めることで口腔内の環境から歯を遮断する役割があります。グラスアイオノマーはより接着性が高く、歯髄への刺激が少ないと言われています。また、成分に含まれるフッ素を少しずつ放出する効果があり、歯質の強化や虫歯の予防につながります。
シーラント処置の流れ
① 歯の清掃・・・ブラシなどを使って汚れをきれいに落とします。
② 前処理・・・シーラントがくっつきやすく、また取れにくくするための薬剤を塗り、歯の表面をより適切な状態にします。
③ シーラントの材料を歯の溝の部分に流し込みます。
④ 光を照射してシーラント材を固めます。
シーラントの処置は1本の歯につき2分程で処置が完了しますので、小さなお子様でも負担なく行えます。
治療のあと飲食の制限なども特にありません。なおシーラントは保険適用が認められた治療法ですが、保険適応となるのは初期の虫歯がある乳歯もしくは生えたての永久歯に対して処置をする場合のみとなります。
シーラントは通常数年は持つと言われていますが、お食事などで一部が欠けてしまったり、取れてしまったりすることもあります。そのまま放っておくとその場所から虫歯になりやすくなってしまいます。そしてシーラントは優れた虫歯の予防方法ですがシーラントを行ったからといって絶対に虫歯にならないというものではありません。毎日の丁寧なブラッシングを行ない、しっかり定期検診を受けましょう。