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歯周病と全身疾患

2024.07.31

歯周病は歯茎から血が出たり、口臭が気になったり、歯がグラグラするようになるなどお口の中の症状だけと思っていませんか?

実は歯周病は、お口の中の事だけではなくて歯周病が進行すると血液を介して歯周病菌が各臓器に運ばれ全身に悪影響を及ぼす事が明らかになっています。
ただし歯周病が直接その病気を起こすわけではありませんが罹患率を高めたり病状を憎悪させる事があります。
よって歯周病を予防する事で全身の病気の予防にもつながるのです。

 

〔 糖尿病 〕
歯周病と最も関連が深く糖尿病の合併症の1つです。歯周病にかかると血液の中の『サイトカイン』と呼ばれる炎症物質が産生されるようになります。この物質は血流に乗ると血糖値を下げるインスリンの作用を低下させてしまいます。結果、歯周病が重症化すると糖尿病を悪化させてしまいます。歯周病のケアをしっかり行う事で糖尿病の数値が改善すると言う報告もあります。

 

〔 心筋梗塞・心内膜症・狭心症 〕
歯周病菌が心臓疾患に影響を与えてしまう事もあります。歯周病菌が歯茎から血管内に侵入し血流に乗って心臓に運ばれ心臓の心内膜にできた血栓に付着してそこで菌が増殖して炎症を起こし心臓の弁を破壊してしまったり血管内で動脈硬化を誘発させてしまう物質を出して血管を狭くしたり血栓を形成し血管を詰まりやすくしてしまいます。

 

〔 脳梗塞 〕
心筋梗塞と同様に血管中に入った歯周病菌が動脈硬化を引き起こし血栓を作り出す事で脳の血管を詰まらせてしまい起こります。
歯周病の人は健康なお口の中の人に比べて2.8倍脳梗塞になりやすいとも言われています。
血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は動脈疾患予防のためにも歯周病の治療や予防は重要になります。

 

〔 低体重児・早産 〕
妊娠中の人が歯周病にかかっていると低体重児や早産の危険が2~4倍にも高くなります。
その理由として歯周病菌や炎症しが血液中に入り胎盤を通じて胎児に直接影響を与えてしまいます。危険度としては喫煙やアルコールの摂取、高齢出産よりも高いのです。

 

〔 誤嚥性肺炎 〕
高齢になり飲み込む機能が低下する事で誤って気管に食べ物が入ってしまいその時歯周病菌が一緒に気管に入り込み肺まで到達すると肺炎が重篤化してしまいます。

 

〔 骨粗鬆症 〕
女性は閉経後エストロゲンが欠乏状態になり全身の骨がもろくなり骨粗鬆症を起こしやすくなります。それに伴い歯を支えている歯槽骨ももろくなります。また歯周病ポケット内では炎症を引き起こす物質が作られ歯周病が進行しやすくなります。よって女性はたとえ歯周病でなくても閉経後エストロゲンが減少するため歯周病にかかりやすくなってしまいます。

 

このように歯周病はさまざまな病気を引き起こす原因となり上記以外にも認知症、関節リウマチ、消化器官疾患など臨床研究などでは100を上回る疾患が関連すると報告されています。
歯周病をきちんとケアする事でお口の中の健康を保ち、全身の健康を維持しましょう。

 

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