歯周病ってなあに?
2024.07.31
最近ではメディアを通じて耳にする事は多いですが、実は知っているようで知らない歯周病についてご紹介していきます。
歯周病とは、ひと言で言うと歯を支える歯ぐき(歯肉)や骨(歯槽骨)の組織が細菌ににより破壊されてしまう病気です。
日本の成人の約8割が罹患していると言われています。
初期の時点では症状がほとんど無く知らずの間に進行していってしまうケースが多いです。
したがって症状が出た頃にはすでに手遅れなほど進行している場合が大半です。
そんな歯周病についてもう少し詳しく解説していきたいと思います。
歯周病の原因とは、直接的な原因はプラーク(歯垢)に潜む細菌です。
お口の中にはおよそ300〜500種類程度の細菌が存在します。ブラッシングが充分でなかったり砂糖などの糖分の過剰な摂取により、細菌がネバネバした物質を作り出し歯の表面にくっつきます。これをプラークまたはバイオフィルムと言います。
このプラーク1mg (爪で歯の表面を擦って取れる程度) のなかには10億個もの細菌が住みついていると言われ、歯周病を引き起こす細菌が存在しています。
この細菌により歯肉が炎症を起こし、やがて支えている骨を溶かしていく病気で、その結果グラグラしてきて歯を失う原因となります。
プラークは取り除かなければ硬くなり石灰化してしまい、歯石となり歯の表面に強固に付着します。これはブラッシングだけでは取り除く事ができません。この歯石の中や周囲にさらに細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けます。また細菌性の因子以外にも環境因子、宿主因子、咬合(噛み合わせ)なども影響されます。
環境因子としては、喫煙、口の中の清掃不良、ストレス、口呼吸などがあります。
宿主因子としては、年齢、遺伝、全身疾患なども関係があります。
咬合因子としては、悪い噛み合わせや歯ぎしり食いしばりなど歯に強い負担がかかる状態などがあげられます。
歯周病セルフチェック
*朝起きた時口の中がネバネバする
*ブラッシング時に出血する
*口臭が気になる
*歯肉が赤く腫れている
(健康な歯肉はピンク色で引き締まってる)
*堅いものが噛みにくい
*歯が長くなって気がする
*前歯が出っ歯になってきた
*歯と歯の間にすき間ができて物がはさまる
症状が1つでもあてはまるようでしたら受診をおすすめします。
現在では歯周病は治療も予防も可能でもっとも大切なのは『日々のセルフケア』と『定期的な歯科医院でのメンテナンス』です。
新型コロナウィル感染症が流行し、これからは季節性インフルエンザの流行も心配されている中、健康保持のため歯科衛生士による専門的なクリーニングなどのメンテナンスを受けてみてはいかがですか?
次回は歯周病と全身の病気との関係性についてお話ししようと思います。